https://aseasonsend.bandcamp.com/album/a-demonstration-of-the-seasons

ovz: 私は大体20年前くらいから、日本に限らず世界中のlike State Craftのバンドを聴いては、「やっぱり到底及ばないか…」と思うのを繰り返して来ました。それから四半世紀近くが過ぎたのですが、Seasons Endを聴いた時、その時間が一気に吹き飛びました。あなたたちがstate craftと出会ったきっかけはなんですか?

xkenerbx: 正直なところ、初めて出会ったのがいつだったかはハッキリ覚えてないんだよね。本格的に日本のハードコアにハマったのは、ちょうど10年くらい前にEndzweckの"A Farewell To Arms"を聴いたのがきっかけだよ。それまではモッシュの動画を見るくらいだったんだけど、たぶんその後すぐにState Craftを知ったんじゃないかな。

A Farewell to Arms Share your videos with friends, family, and the world youtube.com

ovz: Endzweckとは驚きました。"A Farewell To Arms"は本当に衝撃で、数え切れないバンドに影響を与えただけでは無く、リリース当時は普段ハードコアを全く聴かない私の友人も聴いていた程でした。
そんなあなたがState Craftスタイルのバンドをプレイしてみようと思ったのはなぜですか?また、曲を書くにあたって工夫した事はありますか?

xkenerbx: 本当にその通りだね。ST8もバンド全体も、自分にとってはとても大きな影響を与えてくれた存在だよ。
Seasons を始めた動機としては、やっぱり ST8 の持っていた音の雰囲気がすごく好きだった、というのが大きい。重たいモッシュパートとメロディックな部分がうまく融合していて、そういう要素って多くのバンドがどちらか一方に偏りがちなんだよね。でも ST8 みたいなバンドは、その両方を自然に持っていた。
それに、ST8 をはじめとする多くの日本のハードコアバンドには、ある種の独特なエネルギーを感じていて、それがあまり注目されていないのがもったいないと常々思っていたんだ。ジャンルを問わずハードコア全体への深い理解や愛情を持ちつつも、自分たちのスタイルを貫いている感じ。ST8 が Turning Point をカバーしたり、Endzweck が Snuff のカバーをしたりしてるのを見ても、それがよくわかるよ。もっとも、自分が世界の反対側に住んでいるから、少し偏った見方をしているかもしれないけどね。
あと、あまり音楽理論マニアみたいな答えになるのは避けたいので、そこは軽く流すよ(笑)。でも正直なところ、根底にあるのは「ダイナミクス(強弱や緩急)」じゃないかな。もちろん、音楽的な構成や細かい部分にも意識は向けているけど、最終的には「フィーリング」と「ダイナミクス」で決まると思う。

ovz: Seasons Endは日本人が持つ“情念"を的確に捉えてサウンドにフィードバックしていると思います。State Craftが東京のバンドとしてアイデンティティを確立したように、あなた達にもジョージア州のアトランタのバンドとしての地域ならではの独自性があると思うのですが、その点に関して思い当たる節はありますか?

xkenerbx:そう言ってもらえて安心したよ(笑)。自分が本当に好きなサウンドを追いかけつつ、わざとらしくならないようにするのって、やっぱりバランスが難しいんだよね。
正直に言うと、アトランタっていう土地から来た影響っていうのは、あんまり感じてないかも。音的に見ても、自分たちみたいな感じのバンドって、アトランタではほとんどいなかったと思う。強いて言えば Dawn of Orion と Black Paper Diary(どっちもリスペクト!)くらいかな。

https://immigrantsunrecords.bandcamp.com/album/a-celestial-ballad

https://youtu.be/vsJQ7PCKYr4?si=HI0hNQZK_U_Ik2uJ

Foundation は確かに影響あるかも。自分も他のメンバーも、シーンに足を踏み入れた頃に「地元のバンド」としてめちゃくちゃ存在感あったから、自然と頭に刷り込まれてる部分はあると思う。でも、意識的に何かやってるって感じではないんだよね。悪い意味じゃなくて、ただそういう流れになったっていうか。アトランタって、なんかふわっとしてて掴みどころがない街なんだ。
でも、アメリカ南東部全体で見たら?それはもう間違いなく影響あるよ。Morning Again、Strongarm、Shai Hulud、Culture とかさ、フロリダのバンドはホントに好き。フロリダとジョージアの繋がりはリアルにあるんだよね。

https://youtu.be/99I6aM7i8cM?si=F_zrVW_B1z9q2Hwj

OVZ: アトランタはNorma Jean、The Chariot、Mastodonなど大物を輩出していますが、シーン全体を積極的に代表・発信してきた印象はあまりありません。一方で、Foundationの再結成以来の活躍は目覚ましく、『Designated Moshers Unit』のリリースは軒並み素晴らしいですし、Abuse Of Powerのようなバンドも大好きです。地元シーンの強さが、そうしたバンドを支え、形成してきたことは間違いないですね。

広い南東部の文脈で見ると、確かにシーン全体がよりまとまりを見せるように感じます。

xkenerbx: 少し時間をおいて最初の質問を振り返ってみたら、自分があまり悪く見えない形で、もう少し適切に説明できる気がする(笑)。

アトランタは、シーンの波が激しく、けっこう手厳しい街なんだ(多くのシーンがそうであるように)。そのおかげで、ここにいるバンドは皆かなりタフになり、周囲に振り回されずにやるべきことをやる――良くも悪くも――という姿勢を学んだ。「誰もやらないなら自分たちがやる」という個人主義だね。これは注目すべき点だと思う。こうしたドライブがなければ、SeasonsとIdentity Shockのように、方向性は違っても同じ“好きだからやっている”ハードコアを鳴らすバンドが共存することはなかっただろうね。

つまりSeasonsは外部の影響より自分たちの感覚を優先する「内向き」なバンドとも言えるけど、その姿勢自体が、僕らが育ったアトランタのシーンの産物でもあるんだ。

もちろん、ライブを企画してくれる人たちや足を運んでくれる人たちがバンドを形づくるのは事実で、それを否定するのは愚かだよ。でも、もっと深く長期的なレベルで言えば、僕らに根付いているのは、このアトランタ特有のメンタリティなんだ。

――なんだか質問を堅苦しくしちゃったね(笑)。


ovz: もしあなたが新しく日本のバンドを参考にしたスタイルのバンドをプレイするとしたら、どんなサウンドをやりたいですか?あなたの事なので、やりたい事が何かあるのではと思うのですが…?

xkenerbx: こういう質問をずっと待ってたよ(笑)。始めたいバンドなんて、逆に「ないバンドがない」ってくらい色々あるんだけどね。
例えば、1000 Travels of Jawaharlal や Minority Blues Band みたいなバンドは本当にやってみたい。あの2バンドのスプリットは、個人的に歴代のスプリットの中でも大好きな一枚なんだ。

Minority Blues Band / 1000 Travels Of Jawaharlal Split (2000) Share your videos with friends, family, and the world youtube.com

それとNucleus 。デモと「Express Our Will」と「Real Shit…」っていうコンピに数曲参加してるんだけど、その音源もすごく好きなんだ。そういう感じのバンドもやってみたいね。

https://youtu.be/rMM3fBNmdcQ?si=h7OmxHsk5OvwfR4a

あと、Burning Spirits 系のバンドも。でも、ああいうスタイルって好みが分かれるからね(笑)。実際にやれるかどうかは分からないけど、やれたら最高だよ。
どちらかというと日本のハードコアの中でもメロディックな方にハマることが多いかな。もちろん、重くてハードなのも好きだけどね。Before Christ は、その両方を凄くいいバランスでやってたバンドだと思う。

https://youtu.be/xL_xdopzZ90?si=dpJTe7-LcfW4HQ60

ovz: 1000 Travels of JawaharlalとMinority Blues Bandの名前が出るなんて夢にも思いませんでした。確かにあなたが別でプレイしているPainful Choiceを更にハードコア化させたらフィットしそうですね。あなたが作るBurning Spirit系のバンドは解像度が高そうで興味深いです。近い未来この中から新しい作品が出来たら最高ですね!

Painful Choice / Sugar Coat / The Arrival Note — “Split” (Full Album Stream) Share your videos with friends, family, and the world youtube.com

この質問は、あなたの日本のハードコア愛に触発されて急遽用意したんです。やってみて良かった!

xkenerbx: 1000TOJは本当に大好きなんだ。LPは聴き返すたびに圧倒されるし、スプリット盤もまさに自分の欲求を完璧に満たしてくれる。Painful Choiceの話が出たけど、最近書いていた曲の多くは1000TOJから大きな影響を受けているよ――少なくとも僕が手がけたパートはね。『Real Shit…』コンピに入っているNucleusの曲は本当にユニークで、どこから語り始めればいいのか分からないくらい(笑)。いつか時間が取れたら、そういったアイデアを形にしたいと思っているよ。

https://www.discogs.com/ja/release/9577767-Various-Real-Shit-From-The-Underground?srsltid=AfmBOorVBIL1anREDz92GYs8eTqjE56ZPKAYTcTfKIkagTkctjdwpzUZ

こういう質問をしてもらえて本当にうれしい。僕の身近な友人くらいしか、こちら側の世界ではほとんど知られていない日本のハードコアバンドについて、学術的といってもいいほどマニアックな(笑)話をできる相手はいないからね(僕はそれを“Crate Digger Olympics”と呼んでいる)。特に、当時を知る人とこうして語り合えるのは、とてもワクワクする体験だよ。

OVZ: Seasons Endの今後の予定で、共有できるものはありますか?
また、このインタビューを読んでいる人の多くは日本の方です。日本のリスナーへメッセージがあればぜひお願いします。

xkenerbx: 現在、スプリットに向けて新曲を制作中なんだ。まもなくレコーディングを行い、いずれリリースできるはず。その後はLPの制作に取りかかる予定だよ。

日本の皆さんからこれほど多くのサポートをいただけるのは本当に励みになります。関心を寄せてくださって、心から感謝しています。そして、僕らのデモを日本でプッシュしてくれているRetribute Recordsにも大きな感謝を!

OVZ: 長い時間インタビューに付き合ってくれて本当にありがとう!!!スプリットの相手は誰なのか、物凄く気になるけど、想像してあれこれ妄想したいので、敢えて聞きません笑
Seasons Endの今後を楽しみにしています!!

SEASONS END - A Demonstration of the Seasons [CD] こちらの商品は発売日12月13日発売の商品となります。本日から通常注文可能!明日定休日ですので木曜12日から順次発送致しま retribution.ocnk.net 2,480円 RETRIBUTION NETWORK DISTROで購入する

https://retribution.ocnk.net/phone/product/24267