ovz :はじめまして。まずは自己紹介と、Severanceがどのように結成されたのかについてお話しいただけますか?
以前、gt.のランスが参加しているReject Modernityのレビューを書いたことがあるのですが、他のメンバーの皆さんにとって、このバンドが初めてのキャリアになるのでしょうか?

teryn:  イリノイ州中部を拠点に活動しているメタルコアバンド、Severance(セヴェランス)でボーカルを担当しているテリンです。

View this post on Instagram

https://www.instagram.com/p/DWJ5Jr7kfnC/?igsh=MXB3Nmx6eGkyNXNmMQ==

https://severance4.bandcamp.com/album/prophet-over-misery

メンバーのほとんどにとって、このバンドが初めての本格的なキャリアになります(ベーシストのロスコだけは例外で、以前Meta-stasisというグラインドに近いプロジェクトに参加していました)。他のメンバーも一応プロジェクトは持っていましたが、ライブで演奏したことはなかったので、実質的には今回が初めての経験です。結成は1年前、ランスから「メタルコアバンドでボーカルをやらないか」と誘われたのがきっかけでした。現在のSeveranceのメンバーに落ち着くまでは、ラインナップや楽曲もバラバラで、5つくらいの異なる形態を経てきました。一貫したサウンドや方向性を定めるのは、本当に一苦労でしたね。ロスコの記憶では、Severanceは当初Product of Wasteのようなサウンドを目指していたはずなんです。試行錯誤を繰り返して、ようやく自分たちで「これだ、これでいこう」と確信を持てるようになるまで、半年ほどかかりました。

https://youtu.be/cpWAPU1PjR4?si=khT645hd5Z08j4Mk

ovz: Product Of Wasteの名前が出てくるとは。なかなか渋いですね。
Severanceの曲を聴いていると、初期のState Craftや90年代のUSストレートエッジ・ハードコアを彷彿とさせるところがあると感じました。的外れだったら申し訳ないのですが……。

https://youtu.be/JfVJa44r0o0?si=IZvlyzsTdnroizu8

自分たちのルーツとして、どのような音楽に影響を受けてきたのでしょうか?また、ハードコア以外でハマっているジャンルなどはありますか?

teryn: State Craftは本当に最高ですよね。少し前にチェックしたことがありますが、JRPG風のイントロに心を掴まれました。自分たちも次のリリースでは、あんな感じのクールなイントロをやってみたいですね。
僕たちはストレートエッジ・バンドではないのですが(ヴィーガン・エッジなのは僕とロスコだけです)、90年代のエッジ・メタリック・ハードコアからは多大な影響を受けています。特にArkangelやStrainといった、アメリカ国外のバンドからの影響が強いです。あとは、KickbackやIntegrityも大きなインスピレーションの源になっています。
個人的には、最近はいろいろな音楽を聴いています。Plastic TreeやMALICE MIZERといったV系バンドだったり、LifeloverやDeath in Juneのような、よりムーディーで独特な雰囲気を持つバンド、それにSnow StrippersやBass VictimといったEDMにもハマっています。あと、Eyehategodも聴きますが、あれは本当に素晴らしい。

ovz: 聴いている音楽の幅広さに驚きました。V系って、そちらでもvkei(原文ママ)って言うんですね…!
私が皆さんのバンドに惹かれた理由の一つに、アートワークがあります。May Oggeroの作品を起用されていますが、それを見た瞬間に「餓鬼道」を連想しました。生前に強欲や嫉妬、物惜しみに取り憑かれた者が、死後に絶え間ない飢えと渇きに苦しむという仏教の世界観です。日本人の私から見ると、その描写は驚くほどリアルで説得力のあるものでした。最初は「日本人の誰が書いたんだろう?」と思って調べたぐらいです。
この作品を選んだ背景には、どのような意図があったのでしょうか?

teryn: ありがとうございます!彼女のアートワークは本当に素晴らしくて、私たちが抱いていたイメージを完璧に捉えてくれました。

Instagram Create an account or log in to Instagram - Share what you're www.instagram.com

https://www.instagram.com/filthymedulla?igsh=MXY4bzdjcTFoOTNlZA==

この「餓鬼道」のモチーフを選んだのは、まさにSeveranceの楽曲が表現しているものを象徴しているからです。私が歌詞に書いたのは、苦しみを生み出す「過ちの繰り返し」について、そして、人生の自然な流れには時間が必要なのに、私たちの強欲さがそれを今すぐに求めてしまう、という性質についてです。この終わりのない葛藤や反復こそが地獄を作り出すのであり、個人的には、それこそが地獄の最も恐ろしい部分だと感じています。
これらの歌詞は、自分の人生の中でも特に困難な時期に書きました。「今すぐ変わらなければ、一生変わることはできない」と思い詰めていたんです。かなり非理性的な状態でしたが、4曲目を書く頃には、「忍耐を学ばなければならない」という悟り(エピファニー)を得ることができました。Severance(切断)という言葉には、新しいものを生み出すために過去を切り離す、という意味を込めています。
また、『サイレントヒル4』のサントラや日本の伝統的な刺青、それに妖怪の絵をよく描いているギタリストのメイソンからも大きな影響を受けています(笑)。

Silent Hill 4: The Room - Original Soundtrack Share your videos with friends, family, and the world youtube.com

ovz: サイレントヒルのサウンドトラックは毎回素晴らしいですよね。ゲームはプレイしない自分でもサントラは聞いてます。アートワークに関しても、東洋的な要素を取り入れたMay Oggeroのタトゥー作品や、メイソンさんが描く妖怪のイラストなど、日本やアジア圏に対する非常に説得力のあるアプローチを感じて、とても惹かれました。
非常に失礼なのは承知の上なのですが、私はピオリアという街についてわSeveranceを通じて知ったと言っても過言ではありません。ぜひ、そこがどんな場所なのか教えていただけますか?地元の環境や、あるいは日本との繋がりなどあるのか、何が作品にインスピレーションに影響を与えているのか。あなた達のホームタウンについて、ぜひ詳しく聞かせてください。

teryn: ピオリアはずっと私のホームタウンです。それほど大きな街ではなく、車なら10分くらいで通り抜けられてしまうような場所なので、パッと見ではお酒を飲む以外にやることはあまりありません。
市内のいろいろな場所に住んできましたが、ここは低所得者層と高所得者層の住宅地が奇妙に混ざり合っていて、そのすべてが互いに滲み出している独特な雰囲気があります。この街が見せてくれるものの多くを見てきましたが、なかでも確実に心に刻まれているのは、「誰もが苦しんでいる」ということです。これは、ここだけの話ではないでしょうし、もっと過酷な場所があるのも確かだと思います。
ですが、市の職員として働く中で、ホームレスの方々と対話する機会が多くありました。その多くは精神的な疾患がきっかけで今の状況に陥っており、人はたった一度の最悪な日を境に、二度と元に戻れないほどすべてを失ってしまう可能性があるのだと学びました。それでも私は、彼らに対して、そしてこの街に対して希望を持ち続けています。
私たちのシーンは、間違いなく私に最大の希望を与えてくれます。特にNinth CircleやTotaledといったバンドの活躍もあり、新しい若者たちがどんどん集まってきているんです。
この街でのあらゆる経験が、今のSeveranceを形作っているのは間違いありません。シーンの現状についても、若者が楽しめる場所はバーやクラブだけではないということに、多くの人が気づき始めているのを嬉しく思っています。

https://totalsupply.bandcamp.com/album/tsr-007-7-song-pile-up

ovz: 私がバンドについて調べるとき、出身地や活動拠点について知ろうとしているのですが、やはり現地で生活している方から直接お話を聞くと、他では得られない圧倒的なリアリティを感じますね。また、テリンさんが対話を大切にされている、とても思慮深い方だと知ることができて嬉しくなりました。
そこで、この質問をしてみたくなったんですが、自分自身、この問いにはいつも悩み、聞く相手も選んでしまうようなことなのですが、あなたにとって、「ハードコア」とは何を意味しますか?

teryn: 私にとってハードコアとは「真実」であり、「自分自身に対して忠実であること」を意味します。初めてライブに行ったとき、何よりも心を掴まれたのは人々のダンスでした。私の周りのシーンにはシラフの人が多いのですが、薬物やアルコールの力を借りずに、音楽に合わせて心から楽しみ、身体を動かしている光景は本当に最高でした。
彼らがただその瞬間を懸命に生きている姿というのは、ハードコアのショウならではの光景だと思います。最近では「プロコア(ビジネスとしてのハードコア)」が台頭し、魂を売ったり、シーンを利用して金儲けを企んだりする人も増えていますが、心が伴っていない人はすぐに分かります。
ハードコアは単なる音楽以上のものです。コミュニティの存在こそが、その音楽に命を吹き込むからです。ポスト・ハードコアのバンドがエモのイベントで演奏するのと、ハードコアのイベントで演奏するのを見たことがありますが、その差は昼と夜くらい歴然としていました。

ovz: ハードコアに対するあなたの考え方には驚くほど共感することばかりです。まだまだお聞きしたいことは尽きないのですが、終わらなくなるので、このあたりで締めくくろうと思います。
最後にお決まりの質問かもしれませんが、日本のハードコア・リスナーに向けてメッセージをいただけますか?現時点で将来のことを語るのは難しいかもですが、これからのSeveranceについて伝えておきたいことがあれば、ぜひ併せて聞かせてください。

teryn: 私からのメッセージは、「決して現状に甘んじないこと」です。ストレートエッジになり、ヴィーガンになり、精神性を高めてください。欲望から真に自分を解放してください。ハードコアとは「禁断の知識」のようなもので、一度足を踏み入れたら最後、もう戻ることはできません(聖書風に言えば「この実を食べれば、あなたは死ぬことになる」といったところでしょうか)。
これを恐れる人々はハードコアを敬遠し、無知なままでいようとします。ですが、そこから学んだ人々が以前と同じままでいることも決してありません。彼らの無知こそが、私たち信じる者の力を強めてくれるのです。
WarzoneのRaybeezの言葉を引用させてください。

俺たちの心と魂の中で、ハードコア・ミュージックは巨大なビジネスから離れ、それがあるべき場所、つまりストリートに留まるべきだと感じている。そこにいるすべてのキッズよ、信念を持ち続けてくれ

https://youtu.be/iE6_-sLXyFY?si=b3OqdxkuKP8YLj6q

Severanceとしては、今後6ヶ月以内に追加のレコーディングを行う予定です。もっとたくさんのライブをやりたいですし、いろいろな場所を訪れたいと思っています!
今回のインタビューは本当に最高でした。返信に時間がかかってしまうこともありましたが、根気強く付き合ってくれてありがとう。


ovz: こちらこそありがとうございます!自分としては今回ぐらいのペースの方が、すごくやりやすかったです笑